Zero Knowledge Proof(ゼロ知識証明)とは、証明者がある事実を知っていることを証明するために用いられる暗号技術の一つで、証明者が知っている情報を開示せずに相手に対して証明を行うことができる方法のことです。
一般的には、ある情報を知っていることを証明する場合、証明者はその情報を明らかにする必要があります。しかし、ゼロ知識証明を用いることで、証明者は自分が知っている情報を開示することなく、相手に対して情報の正確性を証明することができます。これは、セキュリティやプライバシーの観点から非常に重要な技術となっています。
ゼロ知識証明は、電子取引や認証などの分野で広く利用されています。例えば、銀行取引で証明者が自分が正当な口座所有者であることを証明する場合、ゼロ知識証明を用いることで、証明者は自分が知っているパスワードなどの情報を相手に明らかにすることなく、自分が正当な口座所有者であることを証明することができます。
関連する用語として、”Proof of Knowledge”(知識証明)が挙げられます。Proof of Knowledgeは、ある情報を知っていることを証明するための暗号技術の一種で、ゼロ知識証明の一種です。
【例】 Aliceが自分が持っている秘密の暗証番号をBobに証明したい場合、Aliceは秘密の暗証番号をBobに明かすことなく、ゼロ知識証明を用いて自分が暗証番号を知っていることを証明することができます。
【参考文献】
- Goldwasser, S., Micali, S., & Rackoff, C. (1989). The Knowledge Complexity of Interactive Proof-Systems. SIAM Journal on Computing, 18(1), 186-208.
- Oded Goldreich. Foundations of Cryptography: Volume 1, Basic Tools. Cambridge University Press, 2001.